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- 脳疲労について
ストレスにさらされる現代人
現代人は常にストレスにさらされています。
ストレスは決して人間関係がうまくいかないことや仕事で感じるプレッシャーなど、精神的に辛い事ばかりではありません。
外部から伝わってくる情報全てがストレスになります。
環境の変化もストレス、暑さや寒さもストレス、通勤電車で他人と隣り合わせでいるのも、オフィスで同僚と並んでただ座っているだけでもストレスを感じているのです。
データを詰め込みすぎるとコンピューターやスマホが容量オーバーになるように、外部からの情報が多すぎると私たちの脳は疲れてしまいます。
これが「脳疲労」です。
私たちの脳は知性・理性の中枢である
大脳新皮質と、本能・衝動の中枢である大脳旧皮質(大脳辺縁系)、そして自律神経中枢である間脳から成り立っています。
脳の働きが正常であると脳の各部位の関係も正常です。しかし脳疲労の状態では脳各部位司令塔の連携プレーが上手く取れずこれが心身の不調を引き起こしてしまいます。
見る(視覚)
聞く(聴覚)
匂う(嗅覚)
味わう(味覚)
触れる(触覚)
5つの感覚が鈍る五感異常が起こります。
今までの味が薄く感じる、甘いものを欲する、今までの量では満腹を感じないなど、食べ過ぎや不健康な食習慣という行動異常に繋がります。
喫煙や飲酒の量が増え、運動不足も重なり、これが悪化すると肥満や糖尿病、高脂血症や高血圧。自律神経失調症、慢性疲労、がんなどの身体的病気を呼び起こすことに繋がります。
脳疲労は体だけでなく認知機能にも悪影響を及ぼします。
コミュニケーションがうまく取れず、誤解や被害妄想のような思い込みの結果、自分や他人を過度に責めたり、引きこもったりなどの精神行動的異常に発展してしまいます。
これが深刻化して発生するのが不眠症やうつ病、認知症といった精神的疾患です。
たかが脳疲労と侮れない、脳疲労は多くの病気を引き起こす元になるのです。
脳疲労の兆候は不眠です。
不眠により蓄積した脳疲労と身体的疲労は「老化」という形でじわじわと私たちの体を蝕みます。
昭和〜平成〜令和へと時代の変化はとても速くその分人が感じるストレスも昔とは違います。
インターネットが身近になりスマホ依存、SNS依存の人が増えています。状態が深刻化すると仕事だけでなく日常生活や人間関係にも支障をきたします。
また日本でも2020年から始まったコロナ禍による生活様式や人間関係の劇的な変化。この大きなストレスが現代人の心身と脳の機能に悪影響を及ぼしていると感じる方も多いのではないでしょうか。
生活に欠かせないスマホが脳科学の世界で物議を醸している。スマホに依存すると30~50代の働き盛りでも、もの忘れが激しくなり判断力や意欲も低下するというのだ。
患者の脳では前頭葉の血流が減少。スマホから文字や映像などの膨大な情報が絶えず流入し続け、情報処理が追いつかなくなると見られている。
「スマホによる脳過労」「オーバーフロー脳」などと呼ぶ脳神経外科医も現れ、脳の異常は一時的なのか、認知症の初期症状なのか、議論が始まっている。
また東北大学は、スマホの使用時間が長い子どもの大脳に発達の遅れが見られると発表。一部自治体は子どものスマホ規制に動き出した。
《NHKクローズアップ現代より》
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